本財団について

理事長ごあいさつ

戸部眞紀財団は、故・戸部眞紀の遺志により、
これからの時代を担う学生や研究団体などを支援することを目的として設立されました。
遺言にて、大塚ホールディグス株式会社の株式を本財団設立に拠出されました。

　私は昨年2022年6月に理事会に就任いたしました戸部渉と申します。何卒よろしくお願いいたします。前理事長である戸部貞信は、2022年3月に享年80歳で永眠いたしました。生前の皆様からのご厚誼に深く感謝を申し上げます。
　公益財団法人 戸部眞紀財団は、故 戸部眞紀が2013年10月に逝去した際に、遺言にて奨学助成に関する財団設立の意思を遺し、大塚ホールディングス(株)の株式を拠出したことを受け、この資金を基に故 戸部貞信 前理事長が奨学金、及び教育・研究組織への助成等の事業を行う財団として2013年12月6日に設立いたしました。2014年４月より事業を開始し、その後、故 戸部貞信からの増資により規模を拡大して現在に至っております。
　事業内容は主に、大学生及び大学院生対象の返済不要の奨学金給付、及び研究団体対象の研究助成金給付の2つの活動を行っております。事業開始当初は奨学生43人、研究助成6件でスタートした本財団も、2023年度には奨学生189人、研究助成25件を採用するまでになり、おかげさまで設立10周年を迎えることができました。事業開始から本年度までの採用は、累計で奨学生719名、研究助成178件になりました。
　昨今のコロナ禍にくわえ、海外における紛争や気候変動による影響によって、日本でも物価の上昇や格差の拡大がますます進んでいます。また、学費の高騰や貸与型奨学金による課題、研究の世界ではポスドク問題（任期付き研究者）など、社会の課題はまだまだ山積されている状況です。そのような中、本財団の設立者である故 戸部眞紀、故 戸部貞信が目指していたのは、故人が生前愛読したアランの “幸福論”にある、”相手を尊重し、礼儀正しく行動し、自分と相手の幸福を実現していく”ために努力する、ことです。経済的な支援によって、分野も国籍も性別も宗派も超えて、世界中の人々がお互いを尊重し尊敬できる世の中になるよう少しでも貢献できればと考えております。
　本財団がここまで事業を継続できましたのも、ひとえに関係各位の皆様のご協力、ご支援の賜物と深く感謝する次第でございます。皆様方におかれましては、これまでにも増してより一層のご指導、ご理解、ご協力を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

公益財団法人 戸部眞紀財団
理事長 兼 事務局長
戸部 渉

戸部貞信（初代理事長）・
戸部眞紀（出捐者）について

プロフィール 及び 財団設立の経緯

　戸部眞紀は1939年9月18日、大塚グループ（現・大塚ホールディングス㈱）二代目、大塚正士氏の長女として徳島県鳴門市で生まれ、早稲田大学（当時の第一商学部）を卒業後、大塚化学(株)に入社しました。芸術への造詣も深く、自身でも趣味として絵画、作詞、作曲などの創作活動を行い、「とべ たみ」のペンネームで数十点の作品を遺しました。2013年10月27日、享年74歳で逝去し、遺言にて大塚ホールディングス(株)の株式を当財団設立に拠出しました。
初代理事長 戸部貞信は1941年4月18日、神戸市須磨区で生まれました。京都大学農学部農芸化学科、同大学大学院農学研究科を修了後、味の素(株)他の勤務を経て、大塚化学(株)代表取締役社長、大塚食品(株)代表取締役社長、大塚ホールディングス(株)取締役等を歴任しました。2013年10月の戸部眞紀逝去後、妻の遺志をくみ、同年12月に戸部眞紀財団を設立、翌年4月の事業開始時より、将来を担う若者のため財団の運営に尽力してきました。高校3年生で父親と死別したため、奨学金の貸与を受けながら大学へ進学し返済に苦労した経験から、貸与型主体の奨学金制度による学生の苦労を常に気遣っていました。2022年3月16日、享年80歳で逝去しました。

概要

当法人は、教育・研究機関の国際交流の促進、異文化間の国際交流の促進に関する助成、基礎教育及び文化芸術・科学教育をはじめとする教育諸活動への助成、支援及び奨学援護等を行い、もって、わが国の文化芸術及び科学技術の振興、さらには人材育成の促進に寄与することを目的とし、この目的を達成するため、次の事業を行う。

1. 国内の大学及び大学院の国内学生に対する奨学金の支給
2. 外国からわが国の大学及び大学院に留学する学生に対する奨学金の支給
3. 奨学金の受給者に対する生活指導及び助言
4. 教育研究活動に対する助成
5. その他、当法人の目的を達成するために必要な事業